
画面のその先へ──オーディオが日本のオムニチャネル戦略で果たす新たな役割
Magnite Team
8月 28, 2026 | 1 min read
デジタルオーディオは、着実に日本のデジタルメディアにおいて存在感を高めている。
Magniteが実施した「コネクテッド・コンシューマーを読み解く: 2025年日本」によると、55歳以下の消費者の51%が「1年前と比べてデジタルオーディオの利用時間が増えた」と回答している。さらに、ストリーミング音楽は1日平均1.4時間、ポッドキャストは1.2時間聴取されており、通勤や運動、家事など日常生活のさまざまなシーンにオーディオが浸透していることが分かった。
こうした生活に溶け込んだリスニング習慣は、ブランドが「画面の外」で生活者と接点を持つ新たな機会を生み出している。
先日、Magniteとデジタルオーディオ広告を手がけるオトナルが開催したファイヤーサイドチャットでは、デジタルオーディオがCTVやオンライン動画、モバイル広告を補完しながら、日本のオムニチャネル戦略において重要な役割を担い始めていることが議論された。

「ながら時間」が生み出す、デジタルオーディオならではの価値
デジタルオーディオ最大の強みは、生活者の「ながら時間」に自然に入り込めることだ。
通勤中や運動中、料理や家事など、生活者が何かをしながらコンテンツを楽しむ時間は、視覚メディアだけでは届きにくい。
一方で、画面を見ていないからといって、情報への関心が低いわけではない。むしろオーディオは耳を通じて継続的に接触できるため、ブランドが日常生活の一部として自然にコミュニケーションを図ることができる。
オトナルのPublisher Management Specialistである中川 古都乃は次のように語る。
「デジタルオーディオは生活の中に自然に溶け込むメディアです。映像では届かない『ながら時間』にブランドメッセージを届けられることが大きな価値だと考えています。」
デジタルオーディオは映像広告の代替ではない。むしろ、画面から離れている時間にもブランドとの接点を生み出し、オムニチャネル施策全体を補完する役割を果たしている。

オーディオが広げるオムニチャネルの可能性
「ながら時間」へのリーチだけではなく、デジタルオーディオはオムニチャネル戦略全体の効果を高める役割も担う。
Magniteの調査では、89%の日本の消費者がストリーミングTV、モバイルアプリ、デジタルオーディオ、デジタルニュースを週2回以上利用しており、日々複数のデジタルメディアを行き来していることが分かった。
こうした環境では、それぞれの媒体を個別に活用するのではなく、チャネル同士をつなぐ視点が重要になる。
デジタルオーディオは、CTVやオンライン動画、モバイル広告を補完しながら、画面を見ていない時間にもブランドとの接点を維持し、一貫したコミュニケーションを実現する。
中川氏は次のように説明する。
「アメリカではデジタルオーディオは検索、ディスプレイ、動画広告と並ぶ主要な広告フォーマットとして定着しています。日本も同じ方向へ進み始めています。」
日本でも市場整備は着実に進んでいる。2025年にはJIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)がデジタルオーディオ広告の推奨ガイドラインを公表し、広告プランニングにおける新たなチャネルとして認知が広がり始めている。

オーディオが「アテンション」を成果につなげる理由
広告効果の評価指標がリーチからアテンションへと移る中、デジタルオーディオは異なる価値を提供している。
動画やSNS広告は視覚的な注意を奪い合う一方で、オーディオはイヤホンやスピーカーを通じて自然に接触するため、最後まで聴かれやすいという特長がある。
オトナルは、この高いアテンションがブランドストーリーの理解やメッセージの定着につながると説明する。
さらに、オーディオは単に注目を集めるだけではない。
映像広告を繰り返し表示した際に生じやすい広告疲れを抑えながら、継続的にブランドメッセージを届けられること、音声ならではの親近感によって生活者との感情的なつながりを築きやすいこと、そして映像と音声を組み合わせることでブランド想起を高められることが、オムニチャネル施策における大きな強みとなっている。
中川氏は次のように語る。
「映像と音声を組み合わせることで、広告疲れを抑えながら自然にブランドメッセージを届けることができます。」
こうした特性は、認知だけでなく購買行動にもつながっている。

Magniteの調査では、ポッドキャスト利用者の77%が新しい商品を認知し、56%が商品を保存または詳細を確認、さらに55%が購入またはカート追加まで行っていることが分かった。ストリーミング音楽利用者についても、認知から比較検討、購買まで各段階で高いエンゲージメントが確認されており、デジタルオーディオがフルファネル施策を支えるメディアであることが示されている。
オムニチャネル戦略を完成させるデジタルオーディオ
日本のデジタルオーディオ市場の成熟とともに、導入時のハードルも着実に下がっている。
中川氏は、「これまで多く聞かれてきたクリエイティブ制作や効果測定に関する課題は、以前より解決しやすくなっている」と話す。
既存の動画広告から音声クリエイティブを活用する手法や、他チャネルと統合した効果測定も進み、オーディオ広告は以前より導入しやすい環境が整いつつある。
デジタルオーディオはCTVやオンライン動画、モバイル広告に代わる存在ではない。それらを補完し、画面の外でもブランドとの接点を生み出すことで、よりシームレスなオムニチャネル体験を実現するメディアとして、その役割は今後さらに大きくなっていくだろう。
Tags: Audio
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